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Global Vitamin Week Report vol.3 Dr.Yanagisawa’s Part Highlight

SUMMARY

  1. ・ビタミンサイエンスフォーラム2024が開催されました
  2. ・柳澤厚生医師のプレゼンテーションの一部をハイライトとしてご紹介
  3. ・日本でのビタミンC点滴療法のはじまり
  4. ・海外での学びと日本への導入
  5. ・普及と国際的な広がり

先日、SPIC主催で開催された「ビタミンサイエンスフォーラム2024」。本フォーラムでは、ビタミンCの研究と応用において世界的に名高い医師たちをお招きしました。最先端の研究成果や臨床応用に関する議論が交わされ、ビタミンCの可能性が改めて浮き彫りになりました。その貴重な知見と洞察を、ハイライトとしてお届けします。
※なお、本知見はLypo-Cと直接関係はせず、ビタミンC一般のお話としてご認識下さい。
 
 

日本でのビタミンC点滴療法のはじまり

 
ビタミンC点滴の歴史についてお話ししたいと思います。すでにご存じの方も多いかもしれませんが、この点滴療法がどのようにして日本に広まり、発展してきたのか、その軌跡を振り返ります。
この治療の起点となったのは、2007年に私のもとを訪れたあるアメリカ人の患者さんでした。その方は、ビタミンCの高濃度点滴を希望されました。当時の私は、そのような高容量の点滴療法に詳しくなかったため、まず検査を行い、その結果をもとに判断することにしました。
その後、私はアメリカの医師たちに問い合わせをし、著名な栄養学専門医からの助言を受けました。彼らは、高濃度ビタミンC点滴の可能性について強く推奨し、その具体的な方法まで示してくれました。こうしたやりとりのなかで、私はこの治療法について深く学ぶ必要があると感じました。
 

海外での学びと日本への導入

 
そこで、当時世界的に高濃度ビタミンC点滴療法を実践していたリオルダンクリニックへと赴き、直接指導を受けました。このクリニックの所長であるロナルド・ハニハイキ先生に師事し、点滴療法の方法や考え方を学び、認定を受けました。
帰国後、私は自身のクリニックでこの治療を取り入れることを決意しました。しかし、より多くの医師にこの療法を知ってもらい、日本全国に広めることが必要だと考えました。そこで、ハニハイキ先生を日本に招き、講演を行っていただくとともに、点滴療法研究会を設立しました。その際、150人以上の医師が集まり、治療法について学びました。
さらに、私は研究にも注力し、2010年には再びリオルダンクリニックを訪れ、シンポジウムに参加しました。そこで発表したのが、多施設共同研究による「ビタミンC点滴が健康維持に与える影響」についてでした。
 

普及と国際的な広がり

 
この研究活動を通じて、多くの医師たちと交流し、さらに知識を深める機会を得ました。そのなかで、アメリカでリポソーム型ビタミンCを開発していたLivOn社の創設者とも出会い、新たな可能性を感じました。こうして、日本におけるビタミンC点滴療法の普及が進み、多くの医師がこの治療法を学び、実践するようになりました。
現在、点滴療法研究会には1,000人を超える医師が参加しており、日本国内のみならず、台湾やフィリピンなど海外へも広がりを見せています。また、カナダやイギリス、オーストラリアなどの国々と連携し、国際シンポジウムを開催するまでになりました。
2011年には、ビタミンC点滴療法の普及に貢献した功績が認められ、カナダの国際オーソモレキュラー医学会にて表彰を受けました。その場では、多くの研究者や医師たちと意見を交わし、さらなる発展に向けた意欲を新たにしました。
こうして、日本におけるビタミンC点滴療法の歩みは、多くの方々の協力のもとに積み重ねられてきました。今後もより多くの方にこの治療法を知っていただき、健康維持の選択肢として広く活用されることを願っています。



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